プロジェクト部blog@愛知県自閉症協会・つぼみの会

〜愛知県自閉症協会・つぼみの会プロジェクト部のブログ〜

2015年06月

【報告】愛知県自閉症協会・つぼみの会総会 河本本芳先生記念講演レポート

2015年5月19日に開催した愛知県自閉症協会・つぼみの会総会での記念講演として、愛知県立みあい特別支援学校の前校長である河本本芳先生にお話をいただきました。

特別支援教育のあり方について、非常に多くの示唆を与えてくれる講演でした。

『継続・一貫した支援のために』~共有すべき理念とツール~の報告(プロジェクト部 花島紀秀)

2014年につぼみの会プロジェクト部で学校見学に行った、その特別支援学校(小学部)の第一印象は、静かで(普通の小学校より!)穏やかな空気が流れているというものでした。

「そっち行っちゃダメ」のような声も聞こえず、子どもの手を引いている先生はおらず、障がいが重そうな子や、調子の悪そうな子どもの斜め後ろに、先生は控えている。そんな様子でした。
子どもたちは、多くの教育現場でともすると見かける、「何か分からないまま、連れられて、従う」という時間を過ごしているのではなく、何をするのかが分かっている。
すなわち、主体的に授業に参加しているのです。子ども達がそういう顔をしています。

「こうすればいいんだよね。わかるよ。」と。
その実践を支える取り組みについてお話してくださいました。

ここからが河原先生の今回の講演です。

1 「教員が何をもとに特別支援教育を考えていくか」

以下の3つの視点について話されました。

(1)人権を考える視点
まずは、教員には、高い人権意識が必要。教員が、人権と教育をどの位具体的に結びつけるイメージが持てるかにかかっている。
・障害者権利条約―――自己の価値についての認識を十分に発達させ個人に必要とされる合理的配慮が提供されること。
・CFの障害観―――環境操作によってより豊かな生活を目指す視点

自分らしく 意欲的に 安心して いきいきと暮らす


(2)支援者の視点
支援者=教員という視点で。
本人の思いをイメージし、「主体性の芽を育てる」自分の伸びる力を育てる、芽を引っ張るのではなく。ということでした。
次のステップへの準備をしながら待つ‥本人が持っている可能性が出てくるのを待つ感覚なのだと思います。

自己肯定感を尊重し 意欲的にできる環境を整え 主体性の芽を育てる


(3)支援者を支援する視点
学校が組織として機能していくために、継続・一貫した支援のために、個人の荷重負担、思い込みの防止。
・子どもの観察における視点の共通理解―――明確な共通指標によるアセスメント、人材育成のシステム作り。

2 特別支援教育力の基本構造について

下表について、「プロンプトなどの援助刺激は、徐々に減らせるように計画的に取り入れるもの。できることを増やすステップもあるが、援助を減らしていけるようにするのも重要なステップ」など、本人主体の思いを実現するための特別支援力の構成を説明してくださいました。
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教育(療育)は自閉症の本人の人生の豊かさを大きく左右するもの。この、本人に合った教育を受ける権利は憲法にも規定される基本的人権です。

教育、療育の問題は、「権利擁護」の最重要課題であることが分かります。

私たちが学校見学で感動した教育実践は、アセスメントをはじめ、共通のツールを持ち、高い人権意識を養い、チームで継続・一貫した支援をする、そういった取り組みによって実現しているのだとわかりました。

講演会資料は以下のとおりです。コンパクトな中にエッセンスが詰まっています。ぜひご覧ください。
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【開催告知】『どう護(まも)る?私たちの子どもの権利 どう使う?成年後見制度』

平成27年7月18日開催、権利擁護セミナーのご案内です。

『どう護(まも)る?私たちの子どもの権利  どう使う?成年後見制度』
~本人の本当の言葉を、心の声を 悩みながら聴き続けていきたい~

今回のセミナーでは、親の支援なきあと、障害のある人を護ってくれる制度の一つである「成年後見制度」の出来た背景やその理念を知り、現状を学びながら、意思決定を支援するとはどういうことなのか?どうしたら本人の望む生活が実現していくのかを当事者、当事者家族、支援者の皆さんと共に考えていきたいと思います。

日時:平成27年7月18日(土) 14:00~17:00(受付開始13:30より)
会場:なごや人権啓発センター研修室(名古屋市中区栄1丁目23番13号 伏見ライフプラザ12階)
 ※地下鉄 伏見駅6番出口より南へ徒歩約7分
内容:講義「権利擁護と成年後見制度~意思決定支援とは~」手嶋雅史(椙山女学院 准教授)
   グループワーク「みんなで考えよう。どうしたら本人の希望する生活が実現するのかな?」
対象:どなたでもご参加いただけます。
参加定員:50人(先着順) 
申込期限:7月11日まで
参加費:愛知県自閉症協会会員 1,000円  会員外 2,000円
申し込み方法:下記URL(こくちーず)からお願いします。
http://kokucheese.com/event/index/304922/

《手嶋雅史 てしままさし プロフィール》
椙山女学園大学人間関係学部准教授、社会福祉士。愛知県出身。
知的障害者入所更生施設、身体障害者授産施設、障害者就業・生活支援センターのソーシャルワーカーなど20年に及ぶキャリアを経て大学教員となる。専門は障害者の生活・就労に関する支援研究。
最近の研究テーマは
[1]障害者への虐待と差別禁止に関する支援の具体的形態とその内容
[2]障害者相談支援従事者の生活や就労支援の特徴と事業所間連携
[3]社会福祉士が担う一般企業における障害者雇用を中心とした専門性とその役割
など
また社会活動として
愛知労働局障害者就労アドバイザー。愛知県障害者相談支援スパーバイザー。名古屋市福祉サービス苦情相談センター苦情調整委員等。また他にも社会福祉法人・NPOの理事など務めている。
最近の著書は
1.ソーシャルワークの理論と方法II、(株式会社みらい)、2010
2.サービス提供事業所における虐待防止指針および身体拘束対応指針に関する検討、(NPO法人 PanA-J)、2011
3.障害者に対する支援と障害者自立支援法、(学文社)2012
4.現場実践から学ぶ知的障害児・者支援、(日本知的障害者福祉協会)2014
等多数。
プロフィール
ギャラリー
  • 【1月29日開催】医療と上手に付き合う方法〜自閉症に対して医療は何ができるの?2017 in 岡崎
  • 【12月10日豊橋開催】明石洋子さん・徹之さん講演会
  • 8月27日開催【教育セミナー】みんなで考えよう 先生と保護者の上手な合理的配慮のはじめ方
  • 【報告】7月2日 医療セミナー「医療と上手に付き合う方法」
  • 【報告】7月2日 医療セミナー「医療と上手に付き合う方法」
  • 【報告】7月2日 医療セミナー「医療と上手に付き合う方法」
  • 【7月23日開催】スーパー又村塾@つぼみの会 どう使う?障害者差別解消法
  • 【7月23日開催】スーパー又村塾@つぼみの会 どう使う?障害者差別解消法
  • 【7月2日開催】医療と上手に付き合う方法2016 in名古屋