2015年1月11日に開催した『本人のベストインタレスト?〜親、支援者は本当にわかっているの?』の報告記事です。(告知記事はこちら
 
プロジェクト部は、権利擁護を活動の柱のひとつとしています。
2014年6月に開催した「権利擁護入門勉強会」では、「権利侵害が明白な事例」を題材に、救済のために現在どんな手段があるのかを具体的に学ぶことで、権利擁護に関するイメージをつかみました。

一方で、6月の勉強会で講師の又村あおいさんが提示されていたように、「明白な権利侵害からの回復」だけではなく「日常の中で当たり前のように無視・軽視されてしまっている本来持っている権利の実現」という方向の権利擁護も私たちは意識的に学ぶ必要があると考えました。

そこで、今回のテーマ「本人のベストインタレスト」を取り上げました。
人が、自分の人生を生きるために必要なものは何でしょうか? 今回は、こんな根源的な問いから出発しました。本人の主体性を実現するためには、「本人の意思決定」が不可欠です。しかし、「本人の意思」がわからないとき、あるいは意思を貫くことの害が明白なとき、どう支援したらよいのでしょうか?
本人のベストインタレスト(本人にとっての最善の利益)の実現について、現状の制度と実践のお話を聞き、本人と家族と支援者みんなで考えました。

今回の報告は、スタッフとして企画運営に関わったプロジェクト部メンバーのお二人にお願いをしました。【カイパパ】

■寄り添いきる覚悟…              プロジェクト部 辻村由貴

ベストインタレスト? 権利擁護? 意思決定はなんとなく必要なことは分かる。そんな状態で参加したセミナー。母・支援者、両方の立場を持っている自分が関わっている1人1人に何ができるのか? それを学びたい思いで参加しました。
 
野崎さんが実際に支援されている事例のお話、又村さんからの障害者権利条約締結の背景から意思決定支援が重視されるようになったことについてのお話をお聞きしました。

「誰しも当たり前に人生(進路・余暇)の選択ができる権利がある。だからその権利を守る必要がある。そのために意思決定支援があり、寄り添う必要がある」という当たり前だけど、つい忘れてしまいそうになる大切なことを、再確認できました。
また、普段本人の言葉に耳を傾けず、自分の思いばかりぶつけてしまい、相手の思いに気づけていなかったのでは…と反省しました。
P1000786

最後のまとめで、「寄り添いきってください」と又村さんが言われた言葉が1番印象深く残っています。寄り添っているつもりでも、寄り添いきる覚悟はなかったなと。「寄り添いきる」の言葉で、本人が決めたことを支える支援・情報を提供することで選択を共に考え寄り添う支援、なにより相手の視点にたつことが大事だと気づけました。

難しい内容で、私では全てを理解することは正直難しいのですが、勇気を出して参加してみることで、新しい気づきや反省が生まれました。今後も可愛い我が子たち、関わらせて頂いてる利用者さんたちの幸せのお手伝いのために、いろいろなセミナーを受講したいと思っています。プロジェクト部に参加させてもらって良かったと感じた1日でした。

■ここからスタートし、何度でも立ち返りたい    プロジェクト部 上原悦子

私は、NPOやボランティア活動にたずさわって10年近くなりますが、発達障害との直接の関わりは、ご縁あってこのプロジェクト部に参加するようになってからです。ひよっこの支援者である私にとって、今回のセミナーでは、ここからスタートし、何度でも立ち返りたい視点を得ることができました。

第1部では、野崎さんからは事例中心に本人の意思決定とは?という投げかけを、又村さんからは障害者権利条約の紹介から始まり、日本国内での意思決定支援の位置づけ(どう制度に位置づけるべきなのかはこれからだという投げかけも含めて)についてお話しいただきました。
P1000784

「人は誰でも、怒り、憎しみ、悲しみ、喜び、悲しみなど、どんな感情を持ってもいいんです」「障害があろうがなかろうが、その人の人生はその人本人のもの。その主役の座は、何があっても、決して奪われてはならないものです。」
とは、野崎さんが最後に言ってみえた言葉ですが、ベストインタレストを考える上で忘れてはいけない視点だなと感じました。

親であれ、支援者であれ、本人にはなれない。違う人格、違う身体だから、違う感情、考えがあって当たり前。本人が主役であるためにはどうすればいいか---とてもシンプルだけど、ここからスタートし、何度でも立ち返りたいベースキャンプのような視点です。

もう一つ印象深いのが、第2部のワークショップ。ワークショップは、参加者から話し合いたいテーマを出し、そのテーマに集まったメンバーと話し合いをする「この指とまれ」方式で行いました。発表者の方が、テーマを出すときには遠慮がちだったのが、最後の発表ではこんなことを話しましたとすっきりとした顔で話されていたのが印象的でした。スタッフ冥利に尽きる瞬間でした。

講師のお二人、ありがとうございました。また次回の勉強会(あるのかな?)を楽しみにしています。そして、スタッフ参加も楽しいですのでオススメです^^