プロジェクト部blog@愛知県自閉症協会・つぼみの会

〜愛知県自閉症協会・つぼみの会プロジェクト部のブログ〜

2014年11月

【感想】『医療と上手に付き合う方法~自閉症・発達障害に対して医療は何ができるの?』開催レポート(3)

医療セミナーを終えて。
「いろいろな時や想いを乗り越えてここまできたんだ」というしっかりとした実感がこの胸にある。うまく表現できないが、今の思いをつづってみる。

今回のセミナーの肝は、参加者からいただいた質問を、わたしを通して、聞く、「親と医者との対話形式」になっているところだった。

事前質問やふせんに質問を書いてもらった。その場で直接口頭での質問にしなかったのは、極めてプライベートなことを、みんなの前で発表することを避けるため。

わたしも自閉症の子を持つ親だから、親の立場を代弁する形で問いかけをした。
自閉症の原因のことや治療薬のこと。胸がざわざわする思いを抱えながら、みんなの質問に、わたしも知りたい気持ちを重ねて。

意外だったのは、もっと感情が揺れるかもしれないと予想していたのが、思ったよりもじぶんが平静だったことだ。
昔わたしは怒っていた。無力な医療に対して。福祉に対して。教育に対して。

今は怒ってはいない。
深いところで、絶望している。
それと同時に、「どの人も最善を尽くしている(だけどうまくいかない)」と思っている。
じぶんが何を努力して挫折してきたかを知っている。怒ってもどうにもならない。

僕は、何度も会場の参加者の表情を見回していた。本当に真剣な顔。心配をかかえた悲しげな顔をみんなしていた。僕は鏡を見ているような気分だった。

救いを求めたが、救いは与えられなかった。

微力なんだ。ぼくらは。
ひとりの人間がしあわせになるために必要なことは、万人の努力によって、ようやく見つかるかもしれない、かすかな、もろく壊れやすいもの。

医療は、必ず敗れる永遠の挑戦だ。少しでも、その人らしく暮らせるための努力。積み重ねてきたもの。

LIFEが、短すぎるんだ。不完全で欠けた器から、サラサラとこぼれつづける。直したり、手で押さえても、止められない。

じぶんでは、どうにもできない。そうわかっている絶望と。
できることを持ち寄って、つなぎ合わせて、少しのハッピーをつくりだす喜びと。

そのバランスを、サーカスの熟練した綱渡りのように、右に左にと取れるようになってきた人びと、いろいろな時や想いを乗り越えてここまできた、「同志」という存在を、あの場にいた人たちのなかに見出していたんだ、僕は。

ひとりじゃない、というのはこういうことだ。
そこで、その場で、言葉は交わさなくても、「同じ」苦しみをへて、「今の場所」にいる、「まだ苦しみは続く」、そのことを互いに知りながら。
空

「お達者で」

心の中で言いあって別れる。
無言で励まし合って。

以上で、11月16日に開催した愛知県自閉症協会・つぼみの会主催医療セミナー『医療と上手に付き合う方法~自閉症・発達障害に対して医療は何ができるの?』開催レポートを終わります。

内容については以下をご覧ください。

【報告】『医療と上手に付き合う方法~自閉症・発達障害に対して医療は何ができるの?』開催レポート(1)
【報告】『医療と上手に付き合う方法~自閉症・発達障害に対して医療は何ができるの?』開催レポート(2)
【感想】『医療と上手に付き合う方法~自閉症・発達障害に対して医療は何ができるの?』開催レポート(3)←今回

【報告】『医療と上手に付き合う方法~自閉症・発達障害に対して医療は何ができるの?』開催レポート(2)

11月16日に開催した愛知県自閉症協会・つぼみの会主催医療セミナー。
自閉症、発達障害の原因から始まり、新しい診断方法の研究や新薬開発の手順、そして現在の薬物による対処療法など、参加者のみなさんからの具体的な質問に答えるかたちで、縦横無尽に話し合いました。
3回に分けてレポートします。

はじめに吉川先生から「話題提供」をしていただいた後、参加者からの質問をカイパパが聴き手となって対談スタイルでお聞きしていく2部構成で行いました。
内容のすべてを報告することは手に余るので、不完全ではありますが、どんな話題が出たのかだけでもお伝えできたらと思います。文責はカイパパにあります。

今回は第2回。対談スタイルで進めた「聞きたい、知りたい医療Q&A」を報告します。
第1回レポートはこちら

愛知県自閉症協会・つぼみの会主催医療セミナー
『医療と上手に付き合う方法~自閉症・発達障害に対して医療は何ができるの?』開催レポート(2)

対談


■パート2 「聞きたい、知りたい医療Q&A」 吉川徹先生 (聴き手:カイパパ)
 事前にいただいた質問と会場からの質問を踏まえて、対談スタイルで進めました。内容を抜粋して紹介します。

(1)自閉症の原因 「話題提供」を補う形でのQA
 Q:「自閉症の原因は遺伝子にある」という説明だったが、親としては複雑な気持ちになる。それは確かなことなのか。
 A:「自閉症の発症には遺伝子が関与している」ということについては、自閉症発症に関与している可能性のある遺伝子として、100~1000以上ありそうだという研究が出てきている。
 ただし、<b>「発症に遺伝子が関与している」ことと、「親から遺伝する」ことは同じではない</b>ことに注意が必要。どういうことかというと──
・自閉症は、遺伝子の影響は強く受けている。
両親からの遺伝子の「組み合わせ」でなりやすさが決まる。
しかし、突然変異は多い。(意外なほど、遺伝子はたくさんの変異(染色体変異、コピー数変異、ヌクレオチドの変異など)を含んでいる)環境の影響を受けている。(受精から周産期、生後にいたるまで子どもの遺伝子の働きなどへ影響を与える様々な要因がある)
つまり、いわゆる「遺伝病」と呼ばれる病気のように、<(どちらか一方の)親の遺伝子のなかに決定的な因子があってそれが自閉症を引き起こす>というものではないと考えられている。

【カイパパのメモ】
正直言って、「自閉症の発症には遺伝子が関与している」ということは、非常にデリケートで、あまり話題にしたくないことです。

しかし、このことは実は「自閉症の原因は、育て方によるものではなく、先天的なもの」と説明したときの暗黙の前提となっているのです。わたしたちは、それを薄々感じつつ、あえて「暗黙」にしています。その理由は、「悪い血はどっちの血筋だ」という犯人探しにつながるからだと思います。
今回のお話のなかで、「発症に遺伝子が関与している」ことと「親から遺伝する」ことは同じではないという言葉が印象的でした。また、両親からの遺伝子の「組み合わせ」でなりやすさが決まるということも、ある意味、夫婦共通の「救い」であると感じました。子どもの障害が原因で「どっちが悪い」と仲違いしたり、親戚との関係を悪くしたりすることは、科学的にもナンセンスだということです。(「組み合わせ」なんだから。この子は二人の子なんだから。)

「健康に産んでやりたかった」という思いは、誰にでもあります。どんな説明が得られたとしても、結果的に障害をもって生まれたことで、親が自分たちを責めてしまうことは避けがたいことでもあります。
「あなたのせいではない」とどれだけ言われたとしても、慰めにはならず、納得も出来ないかもしれません。
それでも、わたしは、周りのひとたちは「あなたのせいではない」と語りかけ続けてほしいと願います。本当に、小さな、ささいなきっかけが、影響を及ぼしていたとしても、その影響の本当のところは誰にもわからないし、わかっていたとしても避けがたいことだった──
遺伝子はとても傷つきやすく、「常に」といっていいほど、変異を含んでいる。それが、人間なんですよね。
生まれてきたこと自体が、かけがえのない、パーフェクトな人間だっていうことの証しなんだよ!
わたしはそう伝えたいです。

(参考)
2014年5月30日開催「自閉症と遺伝」講演会と討論会の記事が、福祉新聞のサイトに掲載されています。
わかりやすいまとめで、非常に参考になります。

・【前編】自閉症の遺伝子診断は幻想 フランス分子生物学者が講演
http://www.fukushishimbun.co.jp/topics/5128

(2)画像診断 「話題提供」を補う形でのQA
 現在、MRI、CT(形を見る)、fMRI、NIRS、PET(働きを見る) などの画像診断で、自閉症を診断できるか研究がされている。
 Q:診断に使える実用的なものになりそうか?
 A:自閉症と診断されている群と自閉症ではないとされる対照群との、画像を比較することで、診断をつけられないかを研究している。しかし、例えば平均値どうしを比べて統計学的有意差があるとわかっても、個別具体的に比較をした場合に、対照群と「重なる部分」がどうしてもある。おそらくは画像診断単独で、確定診断をつけられるようにはならず、組み合わせて活用されるようにはなるかもしれない。(下図参照)
IMG_1675

 Q:なんのために、画像診断を研究しているのか?
 A:診断という観点のみから言えば、自閉症の診断ができる医師の養成に大変なコストがかかっている。画像診断のような、生物学的診断指標ができれば、専門的養成がなくても診断をつけられるようになるメリットは大きい。

(3)オキシトシン 「話題提供」を補う形でのQA
(第1回レポートから再掲)
・話題になっているオキシトシンは、身体の中にあるホルモンのひとつ。既に製品化された薬があり、子宮収縮薬や陣痛促進剤として用いられている。
・現在、東京大学、金沢大学、名古屋大学、福井大学が共同で行っている「自閉スペクトラム症へのオキシトシン経鼻スプレーの臨床試験」は、薬の「治験」でいうと第2相「少数の患者を対象に効果、安全性を調べる」段階に似ているが、「治験」そのものではない。
・オキシトシンに期待されている効果はこちらのページ参照

(4)薬
このパートの報告は、わたしの手に余るので項目と感想だけ記します。

 ・一般論→具体の抗精神薬→症例(感情アップダウン)→副作用
 ・薬を減らす、やめるプロセス、注意点
 ・個別質問(使用している薬の違い)
 ・てんかん治療との関係
 ・身体系の治療薬との関係、服薬管理

【カイパパメモ】
今回の質問では「薬」に関するものが一番多く、時間もかけて回答しました。

家族の立場の参加者が多く、日常のなかで悩まれていることが質問としてあがりました。
・「薬を常用していることの悪影響」を心配されている質問が多かった。
・「薬を減らしたい」「やめたい」という質問に対して、吉川先生は、「本人の状態がよい、やめどきと思われる時には、医師に相談の上、減らすところから始めてほしい。ただ、そのときの変化は、薬の種類にもよるが、せめて2週間ぐらい観察して結論を出してほしい。1日や2日だと、薬をやめた結果なのか他の要因なのか判別ができないから」とアドバイスがありました。

(5)全般~医療との付き合い方
 ・自閉症の診断のタイミング(親への働きかけ)
 ・発達障害に詳しい医療機関の情報はどこにあるか?
 (カイパパから)「愛知県・名古屋市発達障害医療マップ」が参考としてあります。
 (吉川医師)口コミが一番あてになるでしょう。
 
(6)アドバイス
 ・効果が厳密に証明されていない「療法」が、全て効果が無いかというとそうとも言い切れない。が、効果が確かめられていないものは副作用も厳密には確かめられていないことに注意が必要。
 <標準的ではない療法を試す際に考慮すべき3つの基準>
 1 安全性が確かめられている。あるいは理屈で考えてどう考えても危険でないもの。
 2 値段が高くない。本人や家族の負担が大きくない。
 3 標準的療法を受けることを妨げないものであること。

──終了予定を10分延長してなお時間が足りなくて、今回お答えすることができなかった質問もありました。ごめんなさい。

アンケートには、日常生活のなかで、「医療について知りたいけれど、質問する機会がない」と書かれているかたが複数いました。「次回も医療セミナーを企画したら参加したいですか?」という質問に、「参加したい」という方がとても多かったです。

この企画は、ニーズがありますね。医療とよりよい関係を築いていくために。来年も継続して実施していきたいです。

次回は、セミナーを終えてカイパパが感じたことを書きます。

<全3回連載>
【報告】『医療と上手に付き合う方法~自閉症・発達障害に対して医療は何ができるの?』開催レポート(1)
【報告】『医療と上手に付き合う方法~自閉症・発達障害に対して医療は何ができるの?』開催レポート(2)←今回
【感想】『医療と上手に付き合う方法~自閉症・発達障害に対して医療は何ができるの?』開催レポート(3)

【報告】『医療と上手に付き合う方法~自閉症・発達障害に対して医療は何ができるの?』開催レポート(1)

11月16日に愛知県自閉症協会主催の医療セミナーを開催しました。このセミナーは、プロジェクト部でやりたいと、1月からあたためていた企画。
10数年来の友人、吉川 徹医師と2人で食事しながらの会話がいつもすごく刺激的で「これはひとりじめはもったいない。いつかみんなにも聴かせたい」と思っていたことがついに実現しました。

自閉症、発達障害の原因から始まり、新しい診断方法の研究や新薬開発の手順、そして現在の薬物による対処療法など、参加者のみなさんからの具体的な質問に答えるかたちで、縦横無尽に話し合いました。
3回に分けてレポートします♪

第1回は、吉川医師による「話題提供」についてです。

愛知県自閉症協会・つぼみの会主催医療セミナー
『医療と上手に付き合う方法~自閉症・発達障害に対して医療は何ができるの?』開催レポート(1)
<概要>
・日時:2014年11月16日(日)午後2時から4時
・会場:なごや人権啓発センター(ソレイユプラザなごや)研修室
・講師:吉川徹 氏(児童精神科医、愛知県心身障害者コロニー中央病院)
・聴き手:カイパパ(愛知県自閉症協会・つぼみの会プロジェクト部)

<開催の趣旨>
「日々の生活で困っている「症状」を軽くする薬があるなら試してみたい。本人にとって、苦しみを取り除けるものがあるなら…」とニュースに接するたび、心がざわざわします。しかし、ニュースで報じられているような治療法が、実際に使えるようになるのはいつなのでしょう?
現在、医療が、薬にかぎらず、自閉症・発達障害に対して「できていること」は何なのでしょうか? 近い将来「期待されていること」は何か? 健康に関して気をつけなければいけないことは何か? そんな素朴な疑問をみんなで出し合い、吉川徹医師に答えていただきます。そして、今私たちが医療と上手に付き合う方法を見出したいと思います。

<セミナーの構成>
1 話題提供「自閉症・発達障害に対して医療は何ができるの?」 吉川徹先生
2「聞きたい、知りたい医療Q&A」 吉川徹先生 聴き手:カイパパ
はじめに吉川先生から「話題提供」をしていただいた後、参加者からの質問をカイパパが聴き手となって対談スタイルでお聞きしていく2部構成です。
内容のすべてを報告することは手に余るので、どんな話題が出たのかだけでもお伝えできたらと思います。文責はカイパパにあります。
話題提供


■パート1 話題提供「自閉症・発達障害に対して医療は何ができるの?」
(1)診断をめぐって
 ・診断基準を使う目的
 ・「自閉スペクトラム症」の構造
   レット症候群を例に⇒遺伝子で原因がわかったもの。自閉症から切り分けられていく。
 ・画像による診断
 ・遺伝子による診断

<カイパパのメモ>
自閉症の原因は、「これらが関連していると思われる」レベルしかわかっていない。関係あるかも?と言われている遺伝子が100~1000くらいある。しかも、それが「組み合わせ」だとしたら、ものすごい数だ。それを遺伝子検査で判別することができるようになるのだろうか?
自閉症は、原因で定義された障害ではなく、症状群として診断基準に当てはまれば「自閉症」と診断されている。
「原因と症状」の対になった関係が判明した場合⇒「自閉スペクトラム症」とは別の「XXX症候群」と切り分けられていく。
それでも最後まで、原因がわからない「オリジナル自閉症(のようなもの)」が残るだろう。

【2014.11.23追記】
「×××症候群」のところがわかりにくいので、情報を補足しておきます。
当日少しご紹介があったのですが、SFARI Gene というサイトがあります。自閉症に関連しそうと考えられている遺伝子」のより専門的な情報について参考になります(英語サイト)。
そこに gene scoreing というページがあって、自閉症に関連しそうな遺伝子を、推測されている関連の強さに従って分類しています。この中で syndromic として挙げられているものなどが、すでに「×××症候群」として、切り分けられているグループ、あるいはその候補と言えるそうです。──が、英語が読めても、この部分は暗号のようで解説なしでは理解は難しいです。医師、研究者向けですね。

(2)治療をめぐって
・「対症療法」と「根治療法」⇒風邪薬のたとえ:風邪の原因に効く薬はまだない。風邪薬は、熱を下げる、吐き気をおさえる、下痢を止めるなどの対症療法。自閉症もその本体に効く根治療法はまだ見つかっていない。
・現在使用されている薬(統合失調症の薬だったりADHDの薬だったりする)は、本人が苦しいとき、環境との不適合が拡大しつつあるときに用いている。
・新しい薬の開発手順:「治療」が定着するまで
・プラセボとノセボ:偽薬を飲むと、一定割合で「効果」が出る(プラセボ)/「副作用」も出る(ノセボ)!
・併存症の治療⇒自閉症とは別のものとして、併存症に対する薬を使う。
 
<カイパパメモ>
話題になっているオキシトシンは、身体の中にあるホルモンのひとつ。既に製品化された薬があり、子宮収縮薬や陣痛促進剤として用いられている。
現在、東京大学、金沢大学、名古屋大学、福井大学が共同で行っている「自閉スペクトラム症へのオキシトシン経鼻スプレーの臨床試験」は、薬の「治験」でいうと第2相「少数の患者を対象に効果、安全性を調べる」段階に似ているが、「治験」そのものではない。
オキシトシンに期待されている効果はこちらのページ参照

(3)家族や支援者はどのように医療と付き合っていくのがよいのか
・医療とのつきあい方
 ⇒医者は診断のために優先的に使う。診断は、「支援の入場券」となるから。少しでも早く、一人でも多くの初診を。
・医療を利用するコツ
 ⇒医師を絶対視しない。
 ⇒診療時には、現状のアセスメントと行なっている対応や効果を簡潔に伝える(分量は、A4 2枚が限界!)
 ⇒薬物療法に過大な期待をしない。かといって、過小評価もしない。
 ⇒医師は、長期的な見通しは得意。短期的な対応は苦手。

<カイパパメモ>
吉川先生は、「医者は、成功するための方法を実はよく知らない。なぜなら、症状がよくなったら医者に来なくなるから」と言っていました。たしかに。しかも、自分のところに来なくなったからといって、治療がうまくいったとは限らない(他の医者に変えたかもしれないから)。
そのかわり、多くの患者を診てきた経験がある。将来、どのような状態に成長していくか、といった見通しは得意。そして、どんなことで失敗するかをみてきているので、失敗しないための方法は知っている。そうお話されていたのが印象的でした。

次回は、「聞きたい、知りたい医療Q&A」の報告です。

<全3回連載>
【報告】『医療と上手に付き合う方法~自閉症・発達障害に対して医療は何ができるの?』開催レポート(1)←今回
【報告】『医療と上手に付き合う方法~自閉症・発達障害に対して医療は何ができるの?』開催レポート(2)
【感想】『医療と上手に付き合う方法~自閉症・発達障害に対して医療は何ができるの?』開催レポート(3)

【開催報告】プロジェクト部 おやおや交流会

2014年11月2日に、おやおや交流会を開催しました。こんなドキッとする告知がされていました。(告知記事はこちら
仕事がキツかった日に限って、子どもの学校で問題発生。懸案がイッキに押し寄せてきても、体はひとつ。家でついつい仕事のことを考えていて、パートナーの話には上の空...

「ちょっと、話聞いてる?」

こんな経験のある悩める親のみなさん、おやおや交流会で話し合って、ちょっぴりでもスッキリしませんか?
企画段階でいろんなドキドキがありながらも迎えた、おやおや交流会の日。いろんな立場の17人が集まりました。
思っていた以上に自己紹介が盛り上がり、参加された皆さんからのこの会への思いが伝わってきます。
どんなことを考えながら会場へ来たのか、今回参加に至った経緯、自身の家庭のこと……ひとりずつ話しているうちに予定時間となり、そのあと父親と母親それぞれのグループにわかれて、話をしました。

話し合いは、親たちだけではなく、専門家やつぼみのペアレントメンターからも経験談やアドバイスをもらいながら進めました。そうすることで、考え方や意見の多様性を取り入れられます。

わたしが参加した父親グループの様子はというと、父親たちは反省することも多く、母たちの偉大さを改めて痛感。日ごろ子どもと関わる時間が短いなかで、父親が子どもの気持ちに寄り添うために、どう行動すればいいのかを話し合い、仕事に追われながらも、ともに子育てする時間をどう作るかのヒントを、一緒に話し合った仲間からもらいました。

そのあと話し合いの結果を全員で共有したのですが、お母さんたちの考え、お父さんたちの思いが交錯しながら、いろんな意見や普段パートナーに伝えられてなかったことが出てきました。こうやって当日の話を振り返ると、男親と女親それぞれの考えにはずいぶん隔たりがありますが、こうやって話しをすることで、パートナーへの理解が少しずつ進みます。当日出た話を、少し挙げてみましょう。
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・子の学校行事や診察に夫が来ない。無関心さや温度差を感じる。それが積もると、夫への「諦め」にいきつくのではないか(母親グループ)
・「わからないことは聞いてほしい」と妻は言うが、聞くと怒るので聞きづらくなる(父親グループ)
・仕事の忙しさに配慮していても、夫は気づいてない。気づかないくら忙しいのかなぁ?(母親グループ)
・本人と関わる時間が絶対的に短く、母親ほど子どものことがわかっていないと自覚している(父親グループ)
・子育ては夫が「手伝う」のではなく、「一緒にやるもの」では?(母親グループ)
・子との関係や理解を深めるためにも、父と子1対1の時間をどう作っていくのか考えていきたい(父親グループ)。

身につまされる現状把握と振り返りをしながらも、どうすれば子どもがハッピーに暮らせるいい家庭が築けるのかのヒントが得られたからか、多くの参加者がスッキリした表情で交流会を終わられました。

「ウチに帰ったら、パートナーに『ありがとう』を伝えよう」、「いままで何気なく言ってた一言が、こんなにパートナーを傷つけていたのか」などなど、交流会の2時間を総括し、会が終わった後も話が尽きることはありませんでした。

子どもと近い距離で見ている母親、ずーっと先のことをながめている父親、そんな様子が当日の話からみて取れましたが、こうやって互いの思いを話し、書きだすことで、何が出来ていて、何が足りないのか、どこがすれ違っているのか、少しずつ見えてきました。

時間がもう少しあったらよかった、いろんな地域でやってほしいなどのご意見も頂きましたので、これらを反映し、次回を企画したいと思います。
今回参加を見送られた方、次回参加してみようと思われた方、つぎはぜひご参加ください!
(プロジェクト部 奥村達志)
プロフィール
ギャラリー
  • 【1月29日開催】医療と上手に付き合う方法〜自閉症に対して医療は何ができるの?2017 in 岡崎
  • 【12月10日豊橋開催】明石洋子さん・徹之さん講演会
  • 8月27日開催【教育セミナー】みんなで考えよう 先生と保護者の上手な合理的配慮のはじめ方
  • 【報告】7月2日 医療セミナー「医療と上手に付き合う方法」
  • 【報告】7月2日 医療セミナー「医療と上手に付き合う方法」
  • 【報告】7月2日 医療セミナー「医療と上手に付き合う方法」
  • 【7月23日開催】スーパー又村塾@つぼみの会 どう使う?障害者差別解消法
  • 【7月23日開催】スーパー又村塾@つぼみの会 どう使う?障害者差別解消法
  • 【7月2日開催】医療と上手に付き合う方法2016 in名古屋